「眠っているきもの」が量産された背景をコピーライターらしく分析・考察してみました。

こんにちは。

本日も読んでくださって、ありがとうございます♪


「家に開かずの箪笥がある」

というとき。普段はそんなに意識していないけれど。街できもの姿の女性をみかけたときとか、ふとした拍子に思い出されて。

『きもの、何とかしなくちゃ』

という気持ちになるのではないかな、と想像しています。


断捨離とかミニマリストとか。

「使っていないモノは持たない」というライフスタイルも注目されていますしね。

高齢化が進む中で、終活の一環として「自分のきものの処遇」を考えている、という方も少なくありません。


でも。


きものって。


購入価格がそれなりにしたことが、容易に想像できるし。

出して、眺めてみると着ない人にとっても「きれい」「ステキ」って感じるモノだし。

『もしかしたら、すごいお宝なんじゃないか』って気配も漂っているし。


「いらないから、捨てまーす」


と思い切りよく、とはいかないものでもあって。

「とりあえず、しまっとこう」

という結論になりますよね。


お母様から「あなたが、どうにかしてね。全部、あげるから」とすでに託されちゃっている、というお嬢様もいらっしゃったりして。

『ええええ~。おかあさん、それはお嬢様に押し付けた、ということでは?』

と私などは思うのですが。


わりと、よく聞くお話です(苦笑)。


そんな

管理担当者

になってしまった方は私が想像している以上に多いようで。

「きもの」に関する話題になると、こういうエピソードがぽろりと出てくるのです。


『日本中に一体、どれだけのきものが箪笥に眠っているのかしら?』


と、呉服業界の市場規模の推移・変遷の資料を眺めておりました。


1980年代のピーク時は 1兆8,000億円!!!!!!

2018年は2,875億円!


2007年は4,700億円でしたので、約10年の間にダダ下がりです。

参考 http://status-marketing.com/


要するに。

1980年代のピーク時に、ものすごい数のきものが、市場に出回った、ということです。

今から30~40年ほど前の出来事です。


しかし。


きものは耐用年数がめっちゃ長い、モノです。

焼失・水没しない限り大丈夫です。


サイズが変わった? 大丈夫。仕立て直せます。

シミがついちゃった? 大丈夫。卓越した技術できれいにできます。


そもそも「形の流行」が存在しない上に。

サイズの変更や汚れ等に対応できる技術が研ぎ澄まされているので。


お洋服のように。

買い替えの必然性が、ほとんどないわけです。


いき渡っちゃったら、新規購入はよほどのことがない限りしない商材です。


こうした商材の場合。

既存顧客には

・メンテナンス(クリーニング、お手入れ、仕立て直しなど)

・定期的な買い替えが必須なアイテム(下着類や長襦袢、足袋など)

・コーディネートのバリエーションを増やすアイテム(帯締め、帯揚げ、半衿など)

のお買い上げや買い足し、というお付き合いを継続しつつ。


「これは運命の出会い!」

「今度、娘が嫁ぐので留袖が欲しいの」

「孫が今度、成人式でね」

というように。

お気に入りの逸品に出会ったとき。

イベントなどで必要性が発生したときに。

きものや帯を購入いただくような「流れ」を作る必要があります。


呉服業界、この流れができていませんでした。

(もちろん、できている呉服店も存在しますが、業界全体としてはできていないです)


このことによって、既存顧客は離脱。

(欲しくもないモノをおススメされてもねえ、って話になりますからね)

新規顧客の獲得は、人口減・不景気といった社会的な要因に加え「呉服屋さんは怖い」というイメージが定着したことによって減少。

加えて年々「そもそも自分で着付けができない層」のほうが厚くなっていく。


というスパイラルに陥りました。


どう考えてもマーケティング戦略に突っ込みどころ満載。

同時に、かなりダークな販売手法も多数ありました。


では、どうして突っ込みどころ満載のマーケティング戦略と。

ダークな販売方法が「まかり通って」しまったのか。


それは日本がたどってきた歴史と。

女性たちの「きもの」への「想い」だったのでは? と考えています。


戦争、そして多くの地域での空襲での焼失。

そして、関東大震災での焼失。


という悲しい過去があるからです。


(戦時中は、バレたらとんでもないことになるのを承知の上、大切なきものを疎開させたということもあった、と聞きます)


1980年代のピーク時のきものの需要って。

戦争や関東大震災を乗り越えてきた世代の方々や戦後の貧しさを生き抜いてきた方々が、高度経済成長、バブル経済で豊かになったことで。

悲しい記憶を埋めるかのように、きものを買ったのではないでしょうか。


(書いていて泣けてきた)


娘時代に着られなかったとか。

娘に着させてあげたかったとか。


そういう思いが1兆8,000億円という金額になっていたんじゃないかな、と推察しています。

(今ふうの広告業界用語でいうと「消費者インサイト」「ペルソナ」ってやつですね)


当時、呉服業界の方たちがこの「インサイト」「ペルソナ」を把握していたのか、わかりません。

恐らく把握していなかったでしょう。

きものに限らず、なんでも作れば売れた時代、だったと聞きますから。

(いかんせん、私もまだちびっ子だったので想像とまた聞きです)


私は、当時の女性たちの「想い」を汲みたい。

だからこそ。

「箪笥で眠っているきもの」を目覚めさせてほしい、と思うのでした。


とはいえ。

管理責任者になってしまったら、途方に暮れるよね、という気持ちもよく分かるのです。


「何から

手を付けたら

いいのか

わからん!」


ですよね。


そんなことを、つらつらと考えておりましたら。

ちょっとひらめきがありました♪

このときの着付け「カンタン着付け」に引き続きのひらめき!!!!


目下、整理&精査しているところでございます。

管理担当者に任命されているみなさまのお役に立てるよう、練り練りして参りますね。


読んでくださってありがとうございました。

みなさまの毎日にププッと笑顔があふれますように♪




















きもの伝道師 貴楽 Kiraku/栗原貴子

箪笥で眠っているきものを目覚めさせることは、地球の未来を守る一歩になる。 そんな風に思っています。 従来よりもカンタン、涼しい、ラクチンな着付け方法を開発。 着付けパーソナルレッスンも承っております。