着付けレッスン料は、私のこんな経験と思いをもとに決めました。

こんにちは。栗原貴子です。


「きものを着たいんです~」

「浴衣ぐらい自分で着たい」

そんなお声をたびたび、聞いてきました。


私もずーっとそう思っていました。

その一歩を踏み出して、自分で着られるようになったとき、とってもとっても嬉しかったのを今もよく、覚えています。


私が着付けを習ったのは「無料着付け講座」で有名な、某着付け教室でした。

この「無料着付け講座」には賛否両論ありました。


今はどうなのか存じませんが、当時「きものや帯のことを学ぶセミナー」と称した、きものや帯の販売会がお稽古のカリキュラムの中で2回ほどあったのです。


セミナー会場で「なんと、購入もできます!」と言われた瞬間、『無料で着付けを教えるコストをこうやって、ペイしているのか~』と思いました。

そりゃ、そうですよね。

着付け講座が無料なのに、先生のお給料、お稽古場のお家賃などの必要経費が、どこから出ているのか? って話ですもの。

ただ、着物や帯の価格を思うと。

お稽古代として考えた時に、少し微妙な気持ちになりました。

この”セミナー”での購入は義務ではなかったけれど。

信販会社の申し込み書もご用意されている、なんとな~く、購入しないといけないような雰囲気の密室で。

一緒に受講していた方の中には、気分を害してやめてしまう方もいらっしゃいました。

それはそれで、やめていった方には『正真正銘の無料で着付け教室を開催できると思っていたのかな?』という疑問を持ちましたけれど。

着付け教室を終了された方の中でも、すっかりきものが嫌になっちゃう方もいらして。

『せっかく、着付けをおぼえたのに』と、とても残念な気持ちになりました。


残念な内容を書いていたので、お口直しに心洗われる、すがすがしい朝焼けをば。


話を着付け教室に戻すと、私の好みからしたら「今、このレッスンに私はいくらお支払いしている」という意識でその分しっかりと学ぼうと思えた方がすがすがしかった。


ただ、当時はインターネットが普及しはじめたばかりで情報もほとんどありませんでした。

なので、「お教室を探す」のもひと苦労でした。


有名な着付けの学校で習っていた友達が「3年も通っているけど、ちっとも上達しない」とこぼしていたので、そういうところに通うのもためらわれていました。(3年って中学や高校を卒業できちゃう歳月ですものね)

そんな中で件の「無料着付け講座」は「絶対に着られるようになる」とうたっていた点に魅力を感じたのです(セミナーのことは、セミナーの日に初めて知りました)。


自分が着付けができるようになると「3年」というのはやっぱり尋常じゃないし、私が”セミナー”で購入した着物や帯の価格は、どう考えても高額だと思ったのでした(帯や着物は手元に残るし、今も大切に身に着けていますが、それを差し引いてもモヤっとする金額だったことを覚えております)。


長きにわたり、着付け教室や呉服業界はこのような不透明なビジネスモデルを続けていました。


もちろん、そうでない着付け教室、呉服屋さん、卸問屋さんなどもたくさんあります。おてんとうさまに顔向けしても何ら、恥ずかしくないビジネスをされている方々もたくさんいます。「きものが大好き」という思いで商いをされている方もたくさんいらっしゃいます。でも、消費者がそのお店がどっちなのか? を見極めるには、「審美眼」と「経験」がないと難しいのも事実です。


このような経験があって、私が着付けをお教えして、レッスン料を頂戴する立場になるときには「今、この時間」と「経験や知識」と「その他諸経費」というエネルギーへの「対価」としていただくようにしたい、と考えました。


そして、レッスンを受けてくださっている方も「自分が差し出したお金というエネルギーの分をしっかり受け取ろう」という意識で、ご自分のモノにしていただきたいな、と思うのです。


着付けは一度、覚えてしまえば一生モノです。

上達すれば、ご自身はもちろん、誰かに着せてあげたり。

教えてあげたり、できるようになります。


着る人が増えれば興味を持つ人も増える。

そうやって、「着付けができる人」が増えていくことを願って。


そんな思いでレッスンにのぞむ所存でございます。


どうぞ、よろしくお願いいたします!









きもの伝道師 貴楽 Kiraku/栗原貴子

箪笥で眠っているきものを目覚めさせることは、地球の未来を守る一歩になる。 そんな風に思っています。 従来よりもカンタン、涼しい、ラクチンな着付け方法を開発。 着付けパーソナルレッスンも承っております。