着付けをおぼえるのに自主トレが不可欠なのには、理由があるのです。

こんにちは。栗原貴子です。

浴衣から覚える着付けパーソナルレッスンでは「自主トレに励んでいただく」ことを推奨というよりはもう「お願い」レベルで申し上げます。


なぜ、自主トレが必要か? と申しますと。


着付けを「モノにした」という状態は「なーんにも考えないで体を動かして着付けられるという状態になること」だから。


頭で『次は、こうして、ああして』と手順を反芻している内は、ご無沙汰していると忘れる可能性があるんですね。

人の脳みその仕組みがそうなっているのだと思うのだけど。

お洋服を着るときに、いちいち『袖を通して、ボタンをしめて』などと考えている方はいないと思うんです。

自動車の運転もそうですよね。いちいち『エンジンをかけて、ブレーキを踏んでからサイドブレーキを外して、ギアを入れて』などと反芻しているのは、教習所に通っているときのこと。

浴衣やきものの着付けも、それと同じことです。


そして、着付けの場合はビギナー時代は「着るのに時間がかかる」ものです。

私はもビギナー時代は「きものを着ていたら、気づいたら2時間経っていた!」ということもありました。

うまくいかなくて、帯をほどいてまた、一からやり直し、ということを繰り返していたのです。


よく「着るのに何分ぐらいかかるんですか?」と聞かれるのですが、夏は急ぐと体温が上がってしまうので「あえて、ゆっくり」着付けたりします。体温が上がったまま、外に出るとそれはそれは、死にそうに暑いからです。


着付けそのものは、手際よく着れば10分~15分程度でできるようになります。

ただ、タイムを縮めようと焦ると仕上がりに不具合が出ることが、ままあります。

「帯、ちょっと緩いな~」とか。

反対に

「帯、きつく締めすぎた?」とか。

「衿の合わせ方が今ひとつだった」とか。

「おはしょりが、モソモソ」とか。


短時間で「着られる」ことだけを目標にすればよいのではなく。

一つひとつの行程を手際よく丁寧に、ビシッと決めていく。

ということのほうが、大切なのです。


現代では、リアルに着物を着ている様子を目にする機会がほとんどないままに大人になります。

なので、いざ自分で着付けを習おうとすると、適当な力加減とか、適当な締め具合といった感覚が分からないことが多々、あります。

また、「きものの構造」が理解できていないと、「そこを、そんなに強く引っ張っちゃいけませ~ん」というところをグイグイしちゃう、といったことも。


こんなことを書くと


「着物って、大変」


と思われるかもしれません。


いえいえ。ちっとも大変じゃないんです。

今、40代以上の方の祖母、曾祖母にあたる世代の人たちは、日常的にきものを着ていました。

大変」と感じるのはただ「未知の世界だから」ということだけなのです。



どんなことでもそうですが、人は不慣れなことや、未知のことを「大変」と感じます。


以前、新潟在住の方に「東京の人は家から駅まで、15分とか歩くんですよね。大変ですね」といわれたことがあります。

最初とても驚きましたが、よくよく話を聞けば車社会の地域では連続して15分も歩くことがめったにないそうで。「そもそも、15分歩いたところで、どこにも行けないですからね」とおっしゃっていた。


コンビニまでの3分は徒歩ではなく、車で、と知ったとき。

『車で3分ぐらいなら歩けそう』と思った私の胸の内を感じられたのでしょう。

「イノシシが出るので、歩きは危ないんですよ」とおっしゃっていた。

『むしろそっちのほうが大変!』と思ったのは車が必需品という世界が私にとって「未知だから」であって、そこで暮らす人にとっては「それが当たり前」のことなのですよね。


「着物って、大変」もそれと同じなのです。

ただ、「未知」なだけです!!!


「未知の世界」だからこそ「自主トレ」は欠かせません。

「自主トレ」に励めば励むほど、身体と心で「慣れて」いくので上達もします。


手順に慣れてから「キレイに着る」を意識する。


このプロセスをしっかりと踏んでいくことを、覚えていてくださいね。


浴衣から覚える着付けパーソナルレッスンの詳細はコチラです


半衿(長襦袢)に浴衣、名古屋帯というこのスタイル。きものと同じ着付けです。浴衣にプラスαでここまで着ることができちゃうんですよ~。


今日も読んでくださって、ありがとうございました。

みなさまの毎日が笑顔あふれるものになりますように♪























きもの伝道師 貴楽 Kiraku/栗原貴子

箪笥で眠っているきものを目覚めさせることは、地球の未来を守る一歩になる。 そんな風に思っています。 従来よりもカンタン、涼しい、ラクチンな着付け方法を開発。 着付けパーソナルレッスンも承っております。