こんにちは。きものナビゲーターの栗原貴子です。
今日は私が「なぜ、きもの人口を増やしたいと思っているのか」について書きます。
<私がきもの人口を増やしたい理由>
①100年後の日本でも、きもの姿の人が街を歩いて欲しいから
②これからの日本は世界を視野に向けていく時代になるだろうと予想しているから
③世界を視野に入れたときに日本の伝統や文化を語れることは不可欠だから
それぞれを詳しく書きますね。
①100年後の日本でも、きもの姿の人が街を歩いて欲しいから
呉服業界の市場規模はずっと右肩下がり。かつては約1兆8000億円あったといわれる市場も今では3000億円以下です。業界の衰退の理由はまた別の機会に譲りますが、これは「きものを着る人が減っている」ということを意味します。
日本人として生まれて民族衣装が存在しているのに、触れる機会がないというのはとても残念なことです。一方で「きものを着たい」と思う人は確実に存在していて、潜在的なニーズが満たされていない状態が長く続いてきました。
このままでは、きもの人口は絶滅の危機です。
私がきもの愛好家として生きたこの時代に、少しでも次世代につながることをしたい、というのが私の願いなのです。
②これからの日本は世界を視野に向けていく時代になるだろうと予想しているから
「グローバル社会」「国際人教育」といった言葉が広く使われています。高校や大学ではそうした学問や環境に力を入れているところも増えていて、留学や海外でのインターンシップも積極的に行われております。
けれど、海外への留学を経験した人たちは帰国後、きまってこう口にします。
「日本のことを知らない自分に気づかされた」
「語学を学ぶことも大切だけれども、何を語れるかがもっと大切」
一方で、私は言葉の壁があっても「きものを着る」ということが外国の方々とのコミュニケーションを円滑にするという経験をしました。「この人は言葉は話せないけれど、知識を持っている」ということが伝わると、なんとかして交流を深めようとしてくれるのです。
将来的に国際社会で活躍することを視野に入れるのならば着ることで全身を使って自分を表現できる「きもの」ほど役立つツールはありません。それが、私が若い世代の方に「きものを知り、着る」ための機会を作りたいと願う理由なのです。
③世界を視野に入れたときに日本の伝統や文化を語れることは不可欠だから
諸外国の人たちは私たち日本人が思っている以上に、自国への「愛国心」や「歴史伝統の知識」「誇り」を持っています。そして、それを熱く語ります。同時に、語り合っている相手の日本人が愛国心や歴史伝統の知識、誇りに乏しいと気づくと、たちまち興味を失います。
ディスカッションを通じて学ぶという文化が彼らにはあるからです。
「君はどう思うの?」
ということに答えるには、それなりの知識と経験が必要です。本を数冊読んだぐらいでは自分の意見など生まれないし、「あ、こいつコピペだな」「なんだ、Wikipediaくんか」とすぐに露呈してしまいます。
だからといって「日本の伝統や文化をどうやって身につけたらいいのか」というと、それはまた難題です。歴史も長いし。伝統や文化もほんといろいろな種類があるのですよね。
そんなとき「きもの」は心強い味方となります。まず、自分で着ることができるので「私、日本人ですよ」というまたとない目印になるからです。そして、きものを通じて自分が興味を持った歴史や文化、伝統を掘り下げて学び、身につけて、語ることができるから。
「これは〇〇織といって、△△地方の名産品で、この模様が意味するするのは~~~~」
そんな知識を語りつつ「まだまだ勉強中なんだ」と締めくくるだけでも印象は大違いです。
きものの歴史をひもとくと、歴史にもたどり着きますし、製造や技法など「語るネタ」の宝庫なのです。
ちょっとした集まりできものや浴衣を着てみたり。
自分をアピールしたいときにきものや浴衣を着てみたり。
海外でそれが自在にできたら。かの地で得られる経験も知識も友情も格段に増え、得難い経験になることでしょう。
<きもの豆知識 草履編>
このお草履は半衿とバッグと共布で作っていただいたものです。
そのようなオリジナルを作ることができるのも、きものの魅力。
ちなみに、草履はある程度よいお品(2~3万円ぐらい)を求めておけば鼻緒の部分をすげかえたり、かかと部分のメンテナンスをすることで長く履き続けることができます。流行に左右されることがないので、大変、コスパのよい「履物」なのです。
このように手入れによって「長く使い続けられる」ということも、きもの文化の”語れるポイント”なのですよ!
今日も読んでくださってありがとうございました。
皆様の毎日にププッと笑顔が溢れますように♪
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