「きものは大変」の正体とは? &着付け豆知識<半衿編>

こんにちは。栗原貴子です。



きものを着ることは、じつはそんなに大変なことではありません。


でも、どうして「大変そう」に感じてしまうのでしょうか?


①「未知のこと」だから「大変そう」に感じてしまう。


② 成人式などで着付けてもらったときの経験から「大変そう」に感じてしまう。


③「きものは大変よ」という母親などの言葉によってそう思ってしまっている。


そんな理由が圧倒的に多いかな。


きもの歴四半世紀を超えた私ですので、これは自信を持って断言できます。


「決して、大変ではありません!」


①から③を順番にひも解いていきますね。


①「未知のこと」だから「大変そう」に感じてしまう

人は誰もが「未知の事」に対して不安を抱くものです。きものの場合「挑戦して、できなかったらどうしよう」という挫折や失敗への不安が相まっている場合もあります。ですが、「明治時代まではすべての日本人がきものを着ていた」のです。その時代をこの目で見たわけではありませんが「きものを着られなくて裸んぼうで過ごしていた人」はいなかったはずです。


② 成人式などで着付けてもらったときの経験から「大変そう」に感じてしまう。

成人式のとき、私は友達のお母さんに着付けをしていただいたので楽ちんでした。が、美容室での着付けは時間との戦いが繰り広げられておりました。私は団塊ジュニア世代なので、とにかく人数が多かった。今の倍はいたんじゃないか。まず、通常の美容室では収容しきれん、ということでホテルの宴会場大ホールを貸し切って「着付け会場」が設営されました。ヘアセットコーナーと着付けコーナーがあって、ずらっと並んだ娘っ子たちに機械的に着付けしていく着付け師さんたち。


ひとりひとりの体型に合った着付けなど、無理な状態。


着付けの時に「これは苦しいですか?」的なやりとりをしながら、着付けていけば苦しくなんかないんです。でも、そんな時間ないわ状態で振袖を着せられたら、気分も悪くなることでしょう。


また、着付け師さん自身が時間に追われるあまりに「殺気立っていた」のも印象的でした。

この「殺気立った雰囲気」もまたネガティブな記憶に刷り込まれている方も少なくないようです。

世代的に「私の頃は戦場さながらの着付けではなかった」という方もね。着付け師さんの腕前がいまひとつだと「苦しい」とか「着付け師さんがテンパってた」ってことになりがちです。あと、不慣れな早起きとか朝食抜きとか、慣れない着物と言った要素も「体調不良」や「疲労困憊」の原因にもなりますからね。決して「きもの」が悪いんじゃないのですよ~。


③「きものは大変よ」という母親などの言葉によってそう思ってしまっている。


多くの場合、「きものは大変よ」という言葉には「いろいろ、あれもこれもとローンを組んでまで買わされた」的な”金銭的に大変になる”という意味が含まれています。そういう商法がまかり通っていたのです。


この点に関して私は呉服屋さんを擁護いたしません。

なんとかして買わせようというプレッシャーをかけてこられた経験もあるし。「は? そんな商売のやり方ありですか?」っていう体験もしておりますです。


もちろん、世の中にはそんなご商売のやり方をしていない、良心的で信頼できる呉服屋さんや着付け教室もたくさんあります。けれど、ネガティブなイメージが先行しちゃっている感は否めないし。「あなた、良心的な呉服屋さん?」なんて見ただけでは分からないから、どうしたって及び腰になりますよね。


そう。きもの自体が「大変」なのではないのです。


良心的な呉服屋さんや着付けを教室を見つけることができれば、回避できます。


でも、お店やお教室選びを間違えると「次から次へと支出が続く」というループに巻き込まれる、ということが「きものは大変よ」という言葉の真意です。


この「支出が続くループ」に巻き込まれずに、安心してきもの道を歩めるように、きものナビゲーターとしてみなさまをご案内して参ります。


<着付け豆知識 半衿編>

祖母のきものは紺色などのダークな色調が多く、そうした色のきものはアラフォーぐらいからやたらとオバ度(もしくは仲居度)がアップするお召し物と化します。

そこで半衿をカラフルにいたしました。

衿元をカラフルにすると若返り効果が、というのはお洋服と同じですね。

遊び心のある半衿や刺繍半衿は少し広めに幅をだしてOKなので、着付けビギナーさんが「半衿の幅が上手く出せないわ」というお悩み解決にもおススメです。


白い半衿のときは、このぐらいの幅で出すときちんと感が出ると思います。


そうはいっても「ぜったい、こうでなくちゃだめよ」というルールではありません。お洋服でいうところの「抜け感」とか「こなれ感」とかそういう「さじ加減」みたいなものです。もっといえば、首の細さや長さ、お顔の輪郭によっても与える印象は変わってきます。ご自分の「ベスト」を探ることもまた、きもの道の楽しみですね。


今日も読んでくださってありがとうございました。

みなさまの毎日にププッと笑顔が溢れますように♪




きもの伝道師 貴楽 Kiraku/栗原貴子

箪笥で眠っているきものを目覚めさせることは、地球の未来を守る一歩になる。 そんな風に思っています。 従来よりもカンタン、涼しい、ラクチンな着付け方法を開発。 着付けパーソナルレッスンも承っております。