涼しい浴衣と帯の素材とモチーフや柄の「季節先取り」という考え方について。

こんにちは。栗原貴子です。

ようやく梅雨明けして嬉しい限り。日光にめっぽう弱い皮膚の持ち主ですが、SUNが燦々(さんさん)と輝く夏空が好きです。

とはいえ、きもの愛好家にとってはややしんどい季節。ええ「涼し気」に見えても正直、暑いです。布の重なりが多いので、致し方ありません。

暑い季節は当然ではありますが、きものよりも浴衣のほうが、涼しいです。

さらに、浴衣の中でも種類によって「涼しさレベル」がかなり異なります。

私の手持ちの浴衣と帯の中で、ダントツに涼しいコーディネートがコレ。

綿絽の浴衣と絽の博多帯です。

「絽」とは生地の種類。

浴衣の記事のアップ。お洋服風にいうと、いわゆる「メッシュ素材」です。

上の写真で締めている帯もこんな風にメッシュになっている上に、「織り」なので一枚で仕立てられていて「布の重なりが少ない」のです。

とはいえ、この浴衣は「日中の外出には適さない白地」です。実用面では太陽が出ている時間帯は「透けやすい」ということが挙げられますが、暗い方が「映える」のも事実。

なので「お祭りなどでの着用が理想的」なコーディネートです。


「半衿を付けて昼間にも着られる、涼しい浴衣が欲しいわ」


というときは、綿絽で色の濃いものをお選びになるとよいですね。


もちろん、綿なので自宅でお洗濯可。ただし「ノリをつけてパリッと仕上げる」のはおススメできません。なぜなら「ノリをつけると、せっかくのメッシュが機能せず、着ていてもちっとも涼しくない」のです。


ノリはつけないほうが涼しい、のは綿絽に限らず、すべての浴衣に通じます。

パリッとさせたい派の方は、お洗濯した後、濡れている状態でアイロンをかけるとノリなしでもパリッと仕上がりますよ。



さて。


この浴衣の模様は「とんぼ」です。

「とんぼ」は秋の生き物です。なので、真夏用の浴衣にとんぼ、というのはミスマッチでは? と感じるかもしれません。


が。


これが、きものにおける「季節先取り」の考え方なのです。


季節先取りとは、モチーフや柄に「これから来る季節のものを採用する」という考え方。

昔の人は「一足早く、次のシーズンのものを身にまとい、ワクワクと季節の到来を待つ」という考え方をしていました。

これ、和菓子の世界にも共通する考え方でもあるのですね。

生菓子のモチーフも常に「次の季節」を採用していました。


現代ではこの「季節先取りの考え方」もゆるーくなってきていて。「今、まさに、その季節真っ盛り!」というモチーフの着用もアリになっています。


「浴衣やきものについて、もっと知りたい」「やっぱり着付けを覚えたい」という方がいらっしゃいましたら「着付けパーソナルレッスン」でお待ちしておりますね~。


読んでくださってありがとうございました♪


きもの伝道師 貴楽 Kiraku/栗原貴子

箪笥で眠っているきものを目覚めさせることは、地球の未来を守る一歩になる。 そんな風に思っています。 従来よりもカンタン、涼しい、ラクチンな着付け方法を開発。 着付けパーソナルレッスンも承っております。