「地球の未来を守るために私、箪笥で眠ってたきものを着ることにしました」って方が増えたらいいな、と思うのです。

こんにちは。栗原貴子です。

同じ帯、同じ結び方でも浴衣が違うと、こんなに雰囲気が変わります♪


先日「箪笥で眠ったままのきものは『着るのが一番、おトク』なワケという記事をアップしました。

本日は「箪笥で眠ったままのきものを着ることは、地球を守ることにつながります」というテーマで書いてまいりますね。


今、日本はもちろん、世界各国でゴミが大問題です。

ゴミの問題。日本は清潔を重んじるあまりに、過剰包装すぎてゴミが増える方向に走っているし。

新興国ではゴミをそこらへんにポイ捨てちゃう、という課題があります。

新興国ではついこの前までゴミになるものも「自然に還るモノ」ばかりだったのでポイ捨てでもOK

だった。けれど、経済発展していく中で生活の中に「自然に還らないモノ」が増えてきています。それでも「ポイ捨てしちゃう習慣」が抜けきらず、ポイポイしちゃうという問題なのですね。


でもって。

きものです。

箪笥の中で眠っているきもの。

厳しい言い方ですが、眠っている限り「不用品」です。

大切に保管されていたとしても。「衣料品」としての本来の機能は果たしていません。


衣料品も今、世界中のゴミ問題の主役品目です。

ファストファッションによって、大量の「着ない服」を個人が所有することになり、それが「ゴミ」となっています。途上国への寄付等でも「余っている状態」になっています。


日本のアパレル業界では年間100万トンもの「売れ残り衣料」の大量廃棄問題もあるといいます。

アパレル業界の売れ残り問題は個人がどうこうできることじゃないけれど。

個人レベルでは。

もはや、私たちは自分が所有する衣料品の「数」や「品質」にも意識を変えていかねばならない時代を生きているといえるでしょう。


箪笥で眠っているきものがある、というとき。

「着られるようになる」ことはそれまで「不用品」だったものが、「ワードローブ」に昇格することを意味します。

加えて「きもの」って着るようになると色々な変化ももたらすのですね。


【きものを着るようになると自然と起きる5つの変化】


変化1  「ちょっとおめかししたい時」は「きもの」になるので「たいして着ることのない、キレイ目な服」をわざわざ買わなくなる。


変化2  洋服のときも「組み合わせしやすいアイテム」「組み合わせによって着回しをする」というセンスが磨かれるため、やみくもに洋服の点数を増やさなくなる。


変化3  きものに慣れると品質の良しあしが気になるようになり、あらゆるアイテムの「質」を考えるようになる。


変化4 すべてのモノに対して「保管」や「お手入れ」の意識が高くなる。


変化5 すべてのモノに対して「物持ち」がよくなる。



「きものを着る」ようになると、こうした変化がムリなく、自然と沸き起こってくるのです!


きもの歴四半世紀を超えた今、私は洋服は「消耗品」だと感じるようになりました。

30年、50年という時を経てきたきものに袖を通しているので「洋服って寿命が短いなあ」と感じるのです。きものがご長寿すぎる、とも言えますけれど。


洋服が着られなくなる理由は

①流行によって着られなくなる

②自分が年を取って着られなくなる

③ヨレヨレになる

の3つです。①や③は「選ぶとき」に気を付けることで回避できますが、②の「年を取って着られなくなる」は避けられません。


いくら高品質で新品のように状態がよくても。体型にまったく変化がなくて履けたとしても。「20歳の時にはいていたミニスカート」をオバサンが履くのは、いかがなものか、です。


一流ブランドの品の場合「あれは、去年のコレクションのもの」というのが世界規模でバレバレになるため、着られないというお悩みもあるようです。

一流ブランドの服を持っていないのでよくわかりませんがそんな話を聞くと、『きものは、ん十年モノでも着られるのになあ』と思うのです。


ご皇室の方々はお洋服もリメイクしてお召しになっている、と聞いたことがありますので、大事に長く着るということは可能なのでしょう。ただ、庶民にはなかなかハードルが高い。


ゴミ問題に話を戻すと「レジ袋をやめる」「レジ袋を有料化する」ということは企業側の取り組みであって。ひとりの消費者としては「わかりました。エコバックを携帯します」という形で取り組むしかありません。


衣料品の大量廃棄は「作り手」の問題であり。

消費者としては「すぐさまゴミになるような衣類は持たない」という取り組み方しかできません。


そう考えた時に。


手持ちの「きもの」を「再活用する」ことを多くの方々に視野に入れていただけたら、と思うのです。


きものの再活用は「着付けをマスターする」「きものについて知る」という「知識や経験」によって実現できます。


そして、「きものを着られるようになる」ということは前述した5つの変化をもたらします。

5つの変化、念のためにもう一回書きますね。

【きものを着るようになると自然と起きる5つの変化】 

変化1  「ちょっとおめかししたい時」は「きもの」になるので「たいして着ることのない、キレイ目な服」をわざわざ買わなくなる。

 変化2  洋服のときも「組み合わせしやすいアイテム」「組み合わせによって着回しをする」というセンスが磨かれるため、やみくもに洋服の点数を増やさなくなる。

 変化3  きものに慣れると品質の良しあしが気になるようになり、あらゆるアイテムの「質」を考えるようになる。

 変化4 すべてのモノに対して「保管」や「お手入れ」の意識が高くなる。

 変化5 すべてのモノに対して「物持ち」がよくなる。


つまり「モノ」との向き合い方、全般が変わってくるのです。


きものには、古くから「繰りまわし」という考え方があって。

ほどいて、別のものを作るという過程を経て、布としての寿命を全うさせることができます。


こうした考え方って、日本ならではのアイテムに多く「風呂敷」も包むものに合わせて形を変えられる汎用性の高い「エコバッグ」みたいなものだし。

手ぬぐいも、体を拭いたり、頭にかぶって埃や雨をよけたり、包帯替わりにしたり、下駄の鼻緒が切れちゃったお嬢さんがいたら、手ぬぐいを割いて(割けるように両端をかがっていない)紐状にして応急処置をしたり、と様々な使い方ができるように考えられています。


きものも、1枚を裏を付けたり、外したり、中綿を入れたりして季節に合わせてあったかさ、涼しさを調整してきた歴史があり。


きものや、風呂敷、手ぬぐいに代表されるように。


日本ならではのアイテムは、少ない点数を用途に応じて色々と使いまわす。


という知恵の宝庫なのです。


「きものを着る」とそういう「使いまわす」感覚が自然と身についていくので、暮らしの中からムダが減っていくのです!


もちろん「服を新調する必要性」も減っていきます。


礼装は私の守備範囲ではありませんが、お子様がいらっしゃる場合。

小中高大学と、ご卒業とご入学の式典への出席は同じきものと帯で通せます。

もちろん、適したきものと帯が必要になりますが、その都度、ワンピースやツーピースを新調することを考えたら(そして、着なくなった、着れなくなったワンピースやツーピースを処分することを考えたら)とってもとってもおトクだし、便利です。


長くなったので、そろそろ締めくくりますが。


きものを着る、ということはとってもエコ!でもあるのです。

箪笥に眠ったままのきものを、再活用するということであれば、ますますエコです。


「地球の未来のために、きものを着ることにしました」


なんていうのも、かっこよくないですか?


まあ、素敵!と思ってくださった方がいらしたら。

ぜひ、着付けパーソナルレッスンにお越しくださいませ。

お待ちしておりますね♪


きもの伝道師 貴楽 Kiraku/栗原貴子

箪笥で眠っているきものを目覚めさせることは、地球の未来を守る一歩になる。 そんな風に思っています。 従来よりもカンタン、涼しい、ラクチンな着付け方法を開発。 着付けパーソナルレッスンも承っております。