この日は雨の予報だったので、デニムのきものにしました。
赤いステッチが効いてます。
デニムのきものを着て感じたのが「THEきもの、的な装いよりも周囲の人がリラックスしている」ということでした。THEきものだと近寄りがたいというか、圧迫感があるというか、映画『極妻』における岩下志麻様がフラッシュバックするなど、それぞれのご事情があるのでしょうが、総括すると「なんらかの緊張感を与える」のかな、と思っております。
着ている本人もデニムきものは「汚れてもぜーんぜん、平気だもん」という心持ちです。日常的にきものライフを送るなら持っていると安心・便利な一枚ですね。
寒い日であれば外出はこんな感じに。ウールの羽織も叔母からのいただきものだと思う。最低でも40年は経っているはず。やしのみ洗剤と柔軟剤で手洗いしてスチームアイロンをかけたらフワッと仕上がりました。
2020年の東京オリンピック関係者がイベントなどで着ている法被をまねしたのか? って感じの市松模様の羽織ものも叔母からのいただきもの。前回の東京オリンピックの後の一枚でしょうが、2020年のロゴよりも先輩です。素材はニットです。
帯は祖母のものです。中世の軍隊のような模様の、個性的な帯ですが見知らぬ人から「素敵な帯ねえ」と褒められ率No.1を誇ります。最低でも50年ぐらい前の品です。
私の持っているきものや帯は「新品で自分で購入したモノ」と「リサイクルショップで購入したモノ」「いただきもの」が半々ぐらいです。いただきものはヴィンテージアイテムが多く柄や配色がなかなか面白いです。
きものって「形式美(様式美)」の衣装でもあって。
まず「TPOによるドレスコード」があります。
そのドレスコードには
〇訪問着、付け下げ、小紋、紬と言ったジャンルわけ
〇モチーフによる意味と季節
〇季節ごとの仕立ての違い
大きく分けてこの3つが関係してきます。ここに「紋付」というオプションが加わり「紋の数」で格が変わります。
書いていてポーカーのルールみたい、と思った。
カードの組み合わせで「強さ」が変わるように。
きものも「組み合わせ方」で格を上げ下げできる。
例えば「一つ紋の江戸小紋に吉兆文様の袋帯」を締めれば、それなりのフォーマルなお祝いの席にふさわしい装いとなるわけです。
で、この「組み合わせ例による格調レベル」を覚えようとすると、けっこう大変です。
日本人あるあるの、英会話でよく言われるような「完璧にマスターしてからデビューしようとする気質」がここでも働いて、きものデビューを妨げるんですね。
でも、今ドキはグーグル先生やYahoo!知恵袋があるので「こういう席に出席するには、何を着たらいいか」って聞けばよいのです。知っておくべきは「TPOによるドレスコードが存在する」という事実であり「間違えると先様に失礼があるかもしれない」ということ。
結婚式に招待客が白いドレス着て行っちゃった、みたいなね。主役のいるお祝いの席では、とくに気を付けたいですよね。
でも、そんな場面は大半の日本人にとって、結婚式ぐらいなんです。それよりも「ちょっと素敵なレストランでお食事」とか「歌舞伎鑑賞」「コンサートへ」「美術館へ」みたいな「おめかししてお出かけしたいわ」ってシーンが圧倒的に多いんです。普段着で着る場合は「近所ウロウロ」です。
でも、きものデビューしたら「誰かにお披露目したい」気持ちになるんです。それが当たり前です。私のように「ひとりで自撮りして遊ぶ」なんていうのは「散々、遊んだからもう落ち着きたい」ってプレイボーイの心境とほぼ同じです。
なので「これからデビューしよう」と思っている方には「おめかししてお出かけ」というときに、きものを着られることを目標にされることをおススメしています。この欲を満たすことが、上達への近道であり、きもの愛を深めることにつながるから。
今日も読んでくださってありがとうございました。
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